田村社労士事務所 │ 栃木県佐野市の社会保険労務士事務所

人事労務ニュース

文書作成日:2026/10/27

企業に求められる労働時間の適正把握

 厚生労働省では毎年11月を「過労死等防止啓発月間」としており、その一環として過重労働解消キャンペーンを実施しています。このキャンペーンでは、長時間労働が行われていると考えられる事業場等に重点監督が実施されますが、労働基準監督署が重点的に確認する事項は労務管理を行う上で重要なポイントです。以下では、この内容を確認します。

[1]重点確認事項
 厚生労働省は、重点的に確認する事項として、以下の4点を示しています。

  1. 時間外・休日労働が「時間外・休日労働に関する協定届」(36協定届)の範囲内であるか等について確認し、法違反が認められた場合は是正指導を行う。
  2. 賃金不払残業が行われていないかについて確認し、法違反が認められた場合は是正指導を行う。
  3. 不適切な労働時間管理については、労働時間を適正に把握するよう指導する。
  4. 長時間労働者に対しては、医師による面接指導等、健康確保措置が確実に講じられるよう指導する。

[2]労働時間の適正把握
 日ごろの労務管理の中では、上記4点のうち、特に3.の労働時間の適正把握が重要です。
 労働時間の把握については、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が示されており、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置として、会社は労働時間を適正に把握するため、従業員の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録することが求められています。出勤簿で出勤の有無を把握するだけでは不十分で、業務を開始した時刻・業務を終了した時刻の把握が必要です。
 また、自己申告制で労働時間を把握しているケースでは、自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正を行う必要があります。併せて、自己申告した労働時間を超えて事業場内に残っている時間について、その理由等を従業員に報告させる場合には、その報告が適正に行われているかを、確認する必要があります。
 その他、実際によくあるケースとして時間外・休日労働について、タイムカード等の記録とは別に従業員からの申請を受け、タイムカード等の記録と併用しつつ、時間管理を行っていることがあります。申請のあった時間外・休日労働の時間とタイムカード等に記録されている時間に乖離が生じている場合は、時間外・休日労働の時間の申請が適正か否かについて確認する必要があります。

 この機会に自社の労働時間の把握が適正な運用になっているか確認し、問題があれば早急に改善しましょう。

■参考リンク
厚生労働省「過重労働解消キャンペーン」
厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。




協会けんぽの被扶養者資格の再確認2026/10/20
2026年10月から始まった保険料調整制度2026/10/13
長時間労働が疑われる事業場への監督指導結果2026/10/06
2025年の労基署の監督指導における賃金不払事案は128億円2026/09/29
重要性が増す36協定の特別条項を適用する際の労務管理2026/09/22
社会保険の106万円の壁の撤廃と被保険者となるパートの範囲2026/09/15
メンタルヘルス不調により休業した労働者の状況と企業としての対策2026/09/08
定期健康診断等の診断項目変更と健康診断にまつわるよくある質問2026/09/01
50.9%まで上昇した男性の育児休業取得率2026/08/25
シフト制で働く従業員の年次有給休暇の付与日2026/08/18
2年連続で1,000件超となった精神障害の労災支給決定件数2026/08/11
9月1日から交付申請の受付が始まる業務改善助成金2026/08/04
2026年8月から変わる健康保険の高額療養費制度2026/07/28
ハローワークを通じた障害者の新規求職申込件数が過去最高に2026/07/21
2028年4月からすべての企業で義務化されるストレスチェック制度2026/07/14
36協定の特別条項の適用に関するよくある誤解2026/07/07
高校生を雇用する際の注意点2026/06/30
今夏も重要となる熱中症予防対策2026/06/23
10月1日から追加が必要な労働条件の明示項目2026/06/16
10月1日から適用となる改正同一労働同一賃金ガイドラインのポイント2026/06/09
労災保険特別加入者の給付基礎日額の変更2026/06/02
4月から努力義務となった治療と就業の両立支援2026/05/26
7月より障害者の法定雇用率が2.7%に引上げへ2026/05/19
労働保険の年度更新における注意点2026/05/12
活用が広がるマイナンバーカード2026/05/05
女性の健康支援に取り組む企業への新たな認定制度2026/04/28
36協定を遵守するための実務上の注意点2026/04/21
改めて確認したい賃金台帳の備え付け義務とは2026/04/14
変更となる健康保険の被扶養者の認定基準とその判断 2026/04/07
2026年度から引下げとなる雇用保険料率と今後施行される適用拡大2026/03/31
2026年10月1日施行のカスハラ・就活セクハラ防止対策 2026/03/24
3月分以降の協会けんぽの健康保険料率・介護保険料率2026/03/17
定年退職者と無期転換申込権の発生 2026/03/10
雇入時の健康診断に関するよくある誤解2026/03/03
女性活躍推進法と2026年4月からの変更内容2026/02/24
年次有給休暇の付与にまつわる実務上間違いやすい留意点 2026/02/17
パートタイマーや契約社員に対して求められる正社員転換推進措置2026/02/10
年次有給休暇の平均取得率は66.9%で過去最高2026/02/03
民間企業の障害者実雇用率は前年と同じ2.41%2026/01/27
65歳以上定年企業は全体の34.9%2026/01/20
育児休業中に転職等をした場合の育児休業給付の取扱い2026/01/13
厚生労働省が提供する事業主・労働者向けのお役立ち動画2026/01/06
協会けんぽの電子申請 2026年1月13日開始2025/12/30
改めて確認したい休憩時間の基礎知識2025/12/23
通勤手当の非課税限度額引上げと支給額を決定する際の留意点2025/12/16
改めて確認しておきたい介護離職防止のための情報提供の実施2025/12/09
2026年4月以降の健康保険の被扶養者の年収確認方法2025/12/02
確認しておきたい特定(産業別)最低賃金2025/11/25
高卒新卒の37.9%、大卒新卒の33.8%が入社3年以内で離職2025/11/18
確認しておきたい育児休業中の社会保険料免除2025/11/11
協会けんぽの被扶養者資格の再確認2025/11/04
今年も11月に実施される過重労働解消キャンペーン2025/10/28